ロードス島④グランドマスターの宮殿
中世騎士団の宮殿、ましてやある意味最前線にある基地要塞ですから煌びやかさは全くないものの、無駄なく質実剛健・質素なつくりかとおもいきや、さにあらず。。。
そうだよね~、だって「清貧・服従・貞潔」をモットーとしてるとしても、それはこの時代のヨーロッ大貴族レベルからする「清貧・服従・貞潔」であって、一般市民とは感覚がちがうのよ。豪奢ではないけれど、やはり当時の貴族の美意識を随所に感じさせる建物でありました。
建物そのものが幾何学的な美しさを保ってる。外回廊も石だけでこんな風にデザインされていて、こういうところに彼らヨハネ騎士団の美意識というか、矜持を感じてしまうのは私だけかしら?壁にはところどころ、もう薄くなってしまった貴族の紋章も見て取れます。この回廊を進むと、ちょっとした博物館になっていて土器やら彫像やらがありますが、そこはあんまり私の興味は引かなかったな。こんな凄い建物の中にいるほうが興奮します(笑)
入り口から出迎えてくれるのが、いきなりこの広い階段です。
これを昇っていくと大広間に出るのですが、右手に小さな教会(お部屋)があったり、階段の下に立つものを威圧するような、「この先は別世界ですよ」とでも言っているような階段です。「天国への階段」か??
ガブリエルとマリアの「受胎告知」もあるしね。
広間はひたすら広い・・・。
歩いていくと床にはいたるところにモザイクがあります。
イルカやハートモチーフはもちろん。女性のものや幾何学模様や・・・どこまでがオリジナルでどこまでが復元されたものかわかりかねますが、色が比較的鮮やかに残ってることを考えると復元かな??
そのほかにも大きなタペストリーや装飾の施された暖炉、中国からはるばる来たと思われる巨大な壺なども飾られていたり。ロードス島が交易の拠点だったことを思い起こさせる品々ですね。
あ、この柱はコリント式??でしたっけ??
こういうところに身をおくと、遠い昔学校でお勉強していた世界史そのものの世界を体感できてなんともいえない気分になりますね。人間が作ってきた歴史とか、単純にすごいな、って。今も昔も、人間がちゃんと存続していて、滅びるもの、生まれるものがどれだけあっても脈々と続くものもあるということも。いつの時代も異なる文化がぶつかって交じり合っていろんなものができたんだなぁ。。。と。
広間をぬけると細い廊下。左右は騎士が住むお部屋になってるようです。
そして今度は会議室かな?椅子があるんですけど、肘掛のところの装飾がちょっと怖い・・・。
再び広いお部屋にでるとこんな紋章が。
ほかのお部屋ではこんな展示物も。当時の皆さんはこんな洋服をきていたのね。
こちらのお部屋には歴代のグランドマスターの肖像画も飾られ、ヨハネ騎士団が滅びたあと(というかロードス島がオスマントルコに制圧された後)、島を追われた騎士たちはマルタ島へ拠点を移し、マルタ騎士団となり・・現代のマルタ騎士団のロードスへの訪問の様子などがパネル展示されていました。現在も領土こそ持たないけれどヨハネ騎士団の流れをくむマルタ騎士団は国連にもオブザーバー参加する組織として存続しているんですよ。領土を持たないので「国」として認識はされないようですが、イタリアにありながらイタリアの主権が及ばないところがある独特な組織であるようです。
ファブリツィオ・デル・カレット様みっけ♪
塩野七生さんの著作「ロードス島攻防記」に出てくる主人公(フィクション)の叔父上です。